文章力トレーニング

萩野貞樹『ほんとうの敬語』PHP新書|敬語で迷ったらこの1冊!

文章力向上委員会のダイナレイです!(ウソですw)

さて、今回も国語力Upのための文章読本ラボということで、敬語で迷ったらこの本を読め!のこの1冊です。

いざ会話文を書こうと思ったら敬語で悩む、なんて経験、あなたにはありませんか?

なんとなく聞きかじった敬語、頭の中に音として残っている敬語で対応するのですが、果たしてそれが本当に正しい敬語なのか否か?

ダイナレイはメモ帳ソフトには度々二重敬語を指摘されますし、敬語にはまったく自信がありません。

いつも「これで正しいのかな?」という疑念・不安との戦いになります。

しかも、正確に調べるのも大変なのが敬語です。

何しろ自分が認識しているそのシチュエーションがそもそも正しいのかどうか、そこからして怪しいのです。

ダイナレイは敬語が大嫌いですw

なぜなら、ダイナレイは「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」という理念をリスペクト(尊重)していて、だけど敬語は人間の上下関係を表現することばだからです。

上下識別語といっても過言ではありません。

そして日本語は敬語表現と切っても切れない関係にあります。

なので、仕方なく正しい敬語表現を身につけようと悪戦苦闘するハメになっています。

そんなとき頼りになるのが、「ほんとうの敬語」萩野貞樹(PHP新書・2005)です。

ダイナレイにとって、敬語の本と言ったら「ほんとうの敬語」です。

これ以外の本には見向きもしませんw

 今回のトピックス

  • ほんとうの敬語(萩野貞樹)敬語で迷ったらこの1冊!
  • ご苦労さま問題のねじれ!水戸黄門のセリフは脚本ミス

ほんとうの敬語(萩野貞樹)敬語で迷ったらこの1冊!

「ほんとうの敬語」以外の本は、上下関係を明確にせずに説明しようとするので、意味不明で混乱するのです。

混乱するなら、読まない方がマシなのです。

正直言って、ハギノ式以上にわかりやすい敬語の本はないんじゃないかと思います。

特に、人物の①上下関係、②話題・伝達の領域、③聴き手・話し手、④受け手・為手(して)の4つの関係のしくみ図での説明は秀逸です。

敬語が苦手、敬語が不得意なあなたは、ぜひ座右の書に指名してください。

学校の授業ではスッキリしなかったアレコレが、この1冊で解決します。

 ハギノ式敬語語録

 

日本語は敬語である

日本語生活は敬語生活

敬語は上下だ

上下は身分ではない

知らない人は上位者だ

敬語は語彙だ

敬語は優しさの表現ではない

敬語に「目的」はない

敬語は三種のみ

(順不同) 「ほんとうの敬語」萩野貞樹(PHP新書・2005)

とにかくわかりやすいです。

納得します。

これが「ほんとうの敬語」の最大の利点です。

この本もぜひ学校の副教材として採用してほしい。

そしたらもう敬語でアレコレ悩まなくて済むのに……

ご苦労さま問題のねじれ!水戸黄門のセリフは脚本ミス

敬語と言えば「ご苦労さま」問題です。

誰ですかね、最初に目上の人に「ご苦労さま」は失礼だなんてニセ情報を流したの!

江戸時代の浄瑠璃などを見ると「ご苦労さま」は目上の人にもちゃんと使っているそうですよ!

あくまでも尊敬語なのですから、悪いわけがないのですよ~!

おかげでこっちは、

気を遣いますよ~~~!

普通に、宅配業者の人とか、お掃除業者の人とか、警備の人とかに、「ご苦労さまです」って使いたいのに、なんだか遠慮がちになってしまうこの気持ち悪さ!

宅配業者の人に、「お疲れさま」はおかしいから、やっぱり「ご苦労さまです」って言うんですが、それは別に目下だと思って言っているわけじゃないんですよ、と伝えたい!

けど、そんなこと一々言ってられませんから、なんだかモヤモヤしながらも、「ご苦労さま~!」ってなるべくあっけらかんと言いますが……

そもそも「ご苦労さま」と「お疲れさま」は似て非なる言葉ですよ。

置き換えられませんよ。

他に適切な言葉がないですよー。

目上に「ご苦労さま」は正しい日本語ですからね!(少なくとも間違ってはいない)

 

……ですが、まあ、職場や地域、地方によっては、上役に対しては失礼だとする習慣や伝統があったりするそうで、その場合は、郷に入れば郷に従えでいいと思います。

お偉い学者の先生までも、「近ごろの若い人は目上の人にお疲れさまと言うから困ったものだ」みたいなことをおっしゃるそうですから、困ったものです……w

ですが、ダイナレイは事なかれ主義ですから、そこは一々波風立てるつもりはありませんよ。

 

で・す・が、これだけは、ぜひ、あなたと周囲の認識を改めてくださいな!

テレビドラマの水戸黄門さまのあのセリフ!

助さん角さんに黄門さまが「ご苦労じゃった」って言うのは、完全に脚本家のミスですよ、ミ・ス!!

主君が家臣に「ご苦労じゃった」も「ご苦労さま」も「ご苦労」も言いません!

ただ「クロー(苦労)」と言います。

または、「タイギ(大義)」です。

主君が家臣に向かって尊敬語「ご」は使いませんよ~!

だから、「ご苦労さま」は目下に向けた言葉ではないんですよ~~~~!!!(ボリュームMAX!)

どうしてこんなに「ご苦労さま」問題は、ねじれまくってしまったのでしょうね?

まとめ

「ご苦労さま」問題について、一番伝えたかったことを書けましたので、満足ですw

どうか、この記事を読んだあなたは、

「ご苦労さま」は目上の方に失礼なわけでも、目下用の言葉なワケでもない。

「ご苦労さま」は、尊敬語!

ということを、周囲の方に伝えてください。

敬語を複雑怪奇にしているのは、学者先生方です。

言葉は生きものなので、常に流動的です。

ですが、多くの人に読んでもらうために作品として形に残す以上、なるべくなら正しいと言われる日本語で書くのが筋です。

必要最低限の勉強だけはしなくてはいけません。

とは言っても、勉強したからって、完璧な運用ができるわけではないので、あくまでも努力目標です。

間違えてもいいから、まずは小説を書いてみましょう~!

間違っても、後から気がついて直せばいいのです。

人間は不完全だから面白い。

言葉も不完全だから、遊びができる。

一緒に書くことを楽しみましょうね!

それでは今回はこれにて終了~。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

ダイナレイ